
124 トトロが見える頃
外来の小児科の受付に"トトロ"がいます。ぴったりなんだけど、今の子どもたちのどのくらいがトトロのことわかるのかしら?とちょっと気になりました。
トトロは娘(45歳・42歳)が小さかった頃です。どんな小さな場面も心に入ってきたものです。中でも子どもたちは、お庭にドングリなどを埋めたら、一晩で大きくなったのが好きでした。風が強くて、草原が揺れると「トトロの森みたい
」と言っていました。大人は「小さな子どもだけにトトロが見える」のがいいなと思ったものです。

天台宗なので、法事のお逮夜(たいや)には御詠歌をあげます。御詠歌のご本は"平かな"で書いてあり、曲というよりシンプルな抑揚です。今高校一年生の上の孫ちゃんが就学前の時、平かなを覚えた頃で、御詠歌のご本の平かなを一つ一つていねいに詠みながら、長い御詠歌(40分くらい)のおつとめをしました。大人たちの声とちょっとずれたりしながら、覚えたての平かなを読むかわいい声がしていたのに大変に感動しました
。

パパが亡くなって(2018年)百箇日の時に、たまたま下の孫ちゃんを連れてお墓参りに行きました。当時孫ちゃんは4歳で、確かだあれも居なかったので連れていったのだったと思います。花束を持って行きました。夕方に、みんなが揃った時に、孫ちゃんが言いました。「今日、グランマとグランパの"お見舞い"に行った
」と。孫ちゃんの語彙の中で見つけた言葉だったのでしょうが、可愛くていいなと思いました。

夏に小さな黒いトンボがいると"仏さま"だと私たちは言います。その年に、この孫ちゃんに、トンボがグランパだと云うと「わあ
グランパ、めっちゃ(早く)飛んでるやン
」と喜びましたね。


誰も大きくなりますが、トトロが見える年齢というのはいいものです
。
